ハーレーはアメリカを代表する大型バイクであり、力強さと美しさを併せ持つ車両は多くの人を魅了しています。ハーレーは世界中で愛されているバイクと言っても過言ではありませんが、単なる嗜好品ではなく軍事用としての側面もあったことはあまり知られていません。バイクは元々、高価な四輪自動車に代わる安価な乗り物として開発されました。ハーレーも例外ではなく、当初は庶民の乗物として開発されていましたが、利便性の高さから政府や警察の公用車として使われるようになりました。やがてハーレーは走行性能の高さから軍事用バイクとしても重宝されるようになり、第一次大戦の頃にはサイドカー付きの車両が約1万5千台も生産されました。
ハーレーなどのバイクが軍事用の車両に採用されたのは四輪自動車では走行が難しい悪路でも迅速に移動ができたのが大きな理由です。四輪自動車と比べると乗員数が少ないうえに体が丸見えになる欠点がありましたが、機動性の高さから様々な戦線で活用されました。
馬力が高いハーレーは悪路でも走行性能があまり低下せず、故障も少なかったことから優秀な軍事用バイクとして高く評価されました。第二次大戦でもタイヤを頑丈にした軍事用ハーレーが生産されましたが、他のバイクメーカーの参入や軍用車の性能が進歩したことにより、その台数は約千台ほどに留まっています。それでも性能の高さから戦場では伝令や物資の輸送などに多用されました。
ハーレーの軍事用バイクは現存数が少なく、希少品として中古市場では高値で売買されています。現行モデルのハーレーは正式な軍事用は存在せず、ファッション性を持たせた嗜好品であるミリタリーデザインが販売されています。